消化性潰瘍の罹患率
 
消化性潰瘍は主にヘリコバクター・ピロリ感染やアルコール、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ストレス、胃炎によって引き起こされます。そのうち最も多いのがヘリコバクター・ピロリによるもので、胃潰瘍の約80%、十二指腸潰瘍のほとんどがこの菌に関連したものだといわれています。世界消化器病学会(WGO)の統計によると、全世界のヘリコバクター・ピロリ感染率は50%を超えています。先進国では医薬品の発達や抗生物質の使用により感染率は減少傾向にありますが、発展途上国や後進国では感染率が70~90%と高止まりしています。米国の科学雑誌「Scientific American」37号(2005年)によると、台湾における20歳以上のヘリコバクター・ピロリ感染率は32~69%で、年齢に比例して感染率も高くなっているとされています。

 

消化性潰瘍の市場

 

米国のIMS HEALTH社は「抗潰瘍薬は世界で最も販売量の多い三大薬物の一つであり、その2005-2006年の全世界の販売額は229億ドルに達している」と伝えています。抗潰瘍薬の中でも、2001年の米国におけるプロトンポンプ阻害剤の販売総額は102億ドル、全世界での販売総額は134億ドル、うちPrilosecの年間販売額は46億ドルに達しています。2005年最も人気の高かったプロトンポンプ阻害剤「Esomeprazole」(Nexium)の年間販売額も46.3億ドルに上っています。

現在、胃潰瘍治療には、主として制酸剤(プロトンポンプ阻害剤)やH2受容体拮抗薬が用いられています。検査により潰瘍患者がヘリコバクター・ピロリに感染していることが判明すると、一種類ないし二種類の抗生物質やビスマス製剤を処方するようになります。一般にもよく知られている二者併用、三者併用、四者併用による治療です。プロトンポンプ阻害剤とH2受容体拮抗薬の主な働きは胃酸の分泌の抑制であるため、副作用として消化吸収に影響を及ぼします。ひどい時には胆嚢の機能に障害を及ぼし、胆道の結石や閉塞につながります。