がんの罹患率

 

がんは世界のどの先進国においても主要な死因の一つとなっています。米国がん協会のデータによると、米国全土で1年間に約128万人のがん患者が増え、1年間のがんの死亡者数は約55万人となっています。WHO(世界保健機関)のデータによると、1年間に全世界で1000万人以上のがん患者が増えています。2005年の全世界の死亡者数は約5800万人でしたが、そのうち実に約760万人ががんによる死亡(全体の13%)です。これは心臓血管疾病に次ぐ多さであり、中でも肺がん、肝臓がん、結腸直腸がん、乳がんは死亡者が特に多くなっています。がんによる死亡の70%以上が貧困国におけるもので、がん死亡者数は2015年には全世界で900万人、2030年には1140万人にまで増加すると見られています。

行政院衛生署の統計によると、悪性腫瘍は18年連続で台湾の死因トップとなっており、中でも肺がん、肝臓がん、直腸結腸がん、乳がん、胃がんが特に多くなっています。2006年には37998人ががんで死亡。これは全体の4人に1人ががんで死亡している計算になります。現在、台湾では1年間に4万~4万3000人のがん患者が増加しており、そのうち4分の3の患者ががんで死亡しています。

 
抗がん薬市場
  現在、がんの治療法としては、手術治療、放射線療法、化学療法が最も一般的なものです。手術では通常、病巣の周辺部の正常な組織、リンパ腺を切除します。さらに、がんの種類によっては化学療法や放射線療法を併用し、再発の可能性を根絶しようとしています。ほとんどの患者は放射線療法か化学療法のいずれか、時にはその両方を受けなければ生存がおぼつかないのが現状です。残念なのは、がんそのものが患者にもたらす痛みとともに、化学・放射線療法において多量の放射線や化学薬品が用いられるため、がん細胞だけでなく正常な細胞も傷つけることになってしまい、患者にさまざまな耐え難い副作用を引き起こすことです。このため、治療後の生活の質も大きく損なわれてしまうのです。

がん治療に用いられる薬物は、大きく副作用を抑制する「がん補助薬物」と、がん細胞を殺す「抗がん剤」に分けられます。工業技術研究院の統計によれば、世界のがん治療薬物市場は2004年に約231.2億ドルに達し、2011年には605.7億ドル(年成長率14.7%)に達すると見られています。

 
現在、市場においては高い治療係数(低い毒性と高い効果)を備えた化学・放射線が存在していません。このため、治療にはさまざまな副作用がつきものであり、化学・放射線療法補助薬物を取り入れた治療を行わなければなりません。化学・放射線治療後にはしばしば白血球数が大幅に減少するため、臨床の現場ではG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)を用いて患者の白血球数を増やし、感染病の危険を排除しています。米国研究製薬工業協会の統計によると、がん治療にG-CSFなどの化学・放射線療法補助薬物を用いた患者の年間における治療費は、使用していない患者に比べ、約3万ドル低いとされています。補助薬物は患者の放射線治療や化学治療時の副作用を抑えるだけでなく、治療費の軽減にも影響を与えていることが分かります。